埼玉は寒かった! オマーン戦 観戦周辺雑記 2004/2

「K島さん、オマーン戦行きます?」派遣のまどかさんが色っぽい目(近眼なだけか・・・)で言う。聞けば女友達がチケットを抑えたのだが、1枚余ったらしい。親善試合ならともかく本番だからね、本番。女友達のうち一人は知っているし(けっこう美人)、即「行きます、おいくら万円?」と尋ねると「カテゴリー2で6000円」とのこと。昔なら「高いなあ」と思ったんだろうけれど、W杯で高額チケットに慣らされてしまって、「そんなものだよね本番!」というカンジ。こういう「おこぼれチケット」の恩恵にあずかれるのも、前回「ワールドカップ日記」なる愚作を強制配信&HP化させておいた余禄で、なにごとも無駄な動きが大切、これフットボールと共通です。ちなみに試合前日も某サッカー関係者から「チケットが余っている、サバけないか?」という緊急連絡があり、社内をブローカーよろしく立ち回るハメに。結局15分後に「もはや売り切れていた」なる連絡が入り「買いたい」といっていた2人に「ごめんちゃい」する。でも、そういう連絡をくれる「連帯感」がうれしいし「買う&行く!」と即断する「速さ」もフットボールに必要。ほら「こないだは、アイツからラストパスもらったから、今度のコーナーはアイツにあわせてやろう」みたいなことってあるでしょう。よって「フットボールは人生だ」となるわけですよ。わかる?

さて、当日は四谷での打ち合わせから直帰のスケジュールを組む。これなら南北線で浦和美園直通だからね。690円、埼玉高速鉄道高いぞ! 観戦服の客も多くて17:30くらいに乗ったが混んでいた。下りてから駅を出るまでがまた大変で、構内で5分は並んだだろう。自動改札が6ゲートくらいしかないから、そしてときどきstopくうヤツがいるせいだ。人間が受けとる別出口作れよな、けどパスネットはダメか。駅からスタジアムに向かう道、周囲を見渡すと若いなあ・・・ 半世紀生きてきたK島は、あきらかに高齢者の部類である。ホントは高齢ファンもたくさんいるんだけど、チケット入手戦争に勝てないんだよね、参戦しない(できない)というか。笑ったのは途中の自動販売機で、温かいココアを押したのに冷たいココアが出てきて、そのまま缶ココア置きっぱなしになっていた。3缶も・・・ 1人目はしょうがないとして、3人目はちょっと注意力ないな、オフサイドとられがちなヤツだろう。

ゲート前では例によって「飲み物→紙コップ 作業テーブル」あり。K島もここで缶コーヒーを移した。結果すぐ冷めてしまった(失敗)。カバンの中に隠し持ったジンの原液は見つからず、まんまと持ち込みに成功! 後半になったらコーラに割って飲む作戦だ。カテ2はバックスタンド2階、チケットにバックアッパーと書いてあったから、「応援席」かと思ったら、バックスタンドのアッパー席ということだったらしい。5階への階段を脚に乳酸ためつつ上ればそこが観客席。よく見える、W杯のときはカテ1で「1階、前から5列目」だったが、およそ全体の見えない席だった。ここならサッカーがわかる。全体を見渡すと、ウルトラスの逆側にブロックで空いているゾーンあり、たぶんオマーン用チケットが出たのだろう。ヤケに目立つ。ちなみにこのスペースは前半ずーーっと空いたままだったが、後半は埋まっていた。オマーンへの応援がなされていた形跡はないから、周囲の客が入ったのだろうね。こういう臨機応変な措置ができるようになったのもW杯効果なんでしょう。

席に着くと、チケット譲ってくれた3人はすでに到着! 「ありがとうございました」まずはお礼を。ちなみに右隣も20代女性グループ、とにかく女性が多いんだ。ひょっとしてスタンドの3割は女性? 海外観戦はスペインで4試合見ただけだけど、もっと男性の比率が高い。オヤジ、それも太鼓のマノロ爺さんみたいのがうじょうじょいた。これもチケット争奪能力の差かしら。嬉しいことですけどね。観客にはブルーの応援用パネルと協会マーク入りのホッカイロが配られていた。ありがたく頂いたけれど、ホッカイロメーカー、けっこう儲けたんじゃないかなあ。宣伝用看板1枚でバーター(物々交換)にすればいいのにね、なんてつい考えてしまう。パネルにもせめて選手名鑑つけるとか、付加価値がほしかった。やがて君が代、隣の見知らぬネーチャンはウルトラズサイドから起こる歌声に「愛国者多いんだ」とのたまう。K島は愛国者ではないが小声で歌った。ま、これってある種のお約束でしょう。

7時20分キックオフ、けっこう冷えてきた。ご存じのとおり試合はさらに冷えた。ボールをキープする力はあきらかに日本が上、当然だわな。しかし例によってシュートが枠に飛ばない。たまに飛べばGKにハジられる、あげくに俊輔のPKも止められ、どうにもイヤな感じ。スポニチで金子達仁も書いていたけれど、K島もアトランタの日本vsブラジル戦を思い出していた。これが続くとヤバいあるよ。攻めてはいるんだけど、点はいりそうな気がしない。パスの出どころがナカタだけだから、オマーンも守りやすいんだろう。K島の見方として(自分のポジションである)右サイドバックから見るという定番があるのだけど、この日の山田はオープンスペースがあっても見てるだけ・・・ よほど攻め上がる左とのバランス取るように言われてるのかなあ? あとから風邪ひいてたって言われてもなあ。右でもできる三浦アツだっていたろうに。ハーフタイム時にブーイングあったのがせめてもの救いか。

ところでハーフタイムのトイレは大行列。飲まなくて良かった。設計時にもう少し増やせなかったのかな、まあ試合内容含めて寒いせいもあるんだけど・・・ K島も売店に並んでみたが、あまりに要領悪い売り方にあきれて席に戻った。コーヒーとかビールとか、ハーフタイムに入る前に容器に入れて準備しとけってカンジ。ボールが来てからシュートの準備するどこかの代表チームとよく似ている。交代は柳沢→久保、本番は「一芸」型の選手のほうがいい、だから賛成。新聞によっては「シュートシーン以外ダメ」みたいな評価もあったけど、久保は良かったと思っている。「頭ねらい」っていうやり方がハッキリするから・・・ 日本のサッカー、相撲で言えば前頭2枚目の小型力士が目標だと思う。前さばきのいい速攻タイプ、先代の栃東みたいなカンジだな。ところがこの日取った相撲は「受けて立つ大関相撲」、ちょっと勘違い。W杯で優勝なんて高望みはしていない、民族特性を生かした「先回り戦略」を披露してほしいのだよ。負けても「ウーン、そういうやり方もあるのか」と大向こうを唸らせるようなフットボールならOK、あくまで私見ですがね。

不思議だったのは、攻め込んでオマーン陣ナナメ45度からのフリーキックのとき、ナカタってオフサイドの位置で待ってるんだ。ちょうどライン上が座席だったので間違いない。で多分戻るのかなあと思ってみていると、自然と守備ラインが下がってオンサイドの位置になっちゃう。オマーンがオフサイドトラップかけてこない、っていうヨミなんだろうね、K島には、ほかに考えつかない。得点には至らなかったけど、彼だけが気づいていたんだろう。さすがである。新聞によっては「体調イマイチ」みたいな評価もあったけれど、敵の頭越しのパスとか、やっぱりモノが違うように見えました。

韓日W杯でドイツが中国を8:0で屠った試合あったじゃない、本当はあれを再現すべきだったんですよね。そうすれば残り5試合いろんな実験できるし・・・。実際には決定的な「型」のない悲しさを露呈、ドイツvs中国ほどの実力差はなかったっていうことなんだろう。後半も苦労したのは皆さんご覧の通り。オマーンはタンカで運び出されてはすぐ戻る(ホントに早く戻るんだな、これが)など、実に狡猾でした。残り10分を切ると、かつてのウズベキスタン戦(カザフだっけ?)を再現するような放り込みサッカー。こうなると坪井のフィード下手がバレたな。マーカーとしてはNo1なんだろうけど、もう少し青い目標の近くに蹴ってくれ。ロスタイムの決勝点は我々の目の前だった。久保的表現「ネットのパサーッ」ていう音が聞こえるはずだったんだけど、前の青年が立ち上がったせいで、K島は見えませんでした(怒)。終了後、その青年隣のハルコさんにハイタッチしてたけど、オレはしないぞ! そっちもしたかないだろうけど、プンプン。

フットボールのおもしろさって「そのチームに対して感情移入できるかどうか」だと思う。大昔、秩父宮で「新日鐵釜石vs東芝府中」を見てたとき、後ろの立ち見の風采の上がらないオッチャンが、東北なまりで「キヨス(瀬川清=大酒のみ?の巨漢ロック)ちゃんとはすれよ」ってつぶやいていたのが、今でも耳の底に残っている。そういうもんでしょう。しかるに、この代表って、そういうものがないんだなあ。フランス大会の時は「なんとかして一度くらい、4年後に童貞で初出場はないだろう」って思いがあったし、韓日大会の時は「ホストの意地見せろ」ってモチベーションがあったけど、今回はね。もうちょっと大人になったフットボールを見せてほしい。技術はあるんだから・・・ 「え、そこに走るか? そんなパスありい?」みたいな。たとえばPKパスしてシュートみたいな奇策があってもよろしいと思うわけです。小野とびこし、一人時間差、カエル跳び、バサロ、雷電ドロップ、真空飛び膝蹴り、(問い:以上6つの技の発明者はだれでしょう?)日本人はいろいろな技、開発してきたでしょうが。

帰り道、駅前ではパチ物ユニの投げ売り。1枚1000円、でも先々週バンコクのウイークエンドマーケットでは280円でした(6枚買った)。そのあと武蔵野線で帰ったけど、これまたお高くて練馬高野台まで210+450+230(秋津のりかえ)円でした。秋津からは空いているので、飲みそこなったジンをホットレモンで割って飲みながら帰りました。あんまり美味しくなかったのは誰のせい? まあいいか、いろいろあるのがフットボールだから・・・ 「観戦記」というより「観戦周辺レポート」だったね。蛇の道には入らぬヘビ年なんだな、私は。

たとえば蛇の道はこちら
http://www.aa.cyberhome.ne.jp/~gots.13/
http://home.att.ne.jp/blue/supportista/body.html 

答え:小野喬・森田淳吾・輪島功一・バサロ(ひっかけ問題でした:笑)・サンダー杉山・沢村忠 ここまでつきあってくれてありがとう!

筆者:K島 53年3月東京・新宿生まれ 練馬育ち 小6の東京五輪でサッカーにめざめる。
都立石神井高校落研(サッカー部サポーター)〜上智大イーグル〜某出版社サッカー部、並行してタートルズ(西東京市リーグ加盟)。
プレーヤーとしてよりマネージャーとして天賦の才を発揮する。
今は出版社宣伝部勤務の道楽社員、今回は早朝出社してまで執筆の日々。
サッカー本年度出場時間20分(フットサル80分)02練馬区民大会(テニス)壮年の部QF、寄居CCハンデキャップ12、163センチ、72キロ (これでも胆嚢炎で4キロやせた、でぶだなあ)
尊敬する人、米長邦雄、立川談志。スペイン・ラージョバジェカーノ・FC東京・マニエルパブロ・中田浩二・杉山茂樹